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トランペット・テールズ

イエルーン・ベルワルツ & 中川賢一
トランペット・テールズ

Jeroen Berwaerts & Ken'ichi Nakagawa
Trumpet Tales

発売日 : 2020.07.08

規格 : DIGITAL

レーベル : 日本アコースティックレコーズ

ある種の楽器は、その楽器がどんなタイプ、どんなスタイルの音楽につかわれているかで、演奏者や聴き手まで決まってしまったり、あるいは逆に広がりを持ったりする。どんな楽器だってそうだと言われればたしかにそうなのだが、演奏家自身のキャラクターも相侯ってというのもあろうか。イエルーン・ベルワルツのバイオグラフィをはじめてみたとき、つい微笑んでしまったのは、トランペット奏者としての活動をしながら、ジャズ・ヴォーカルを音楽院で学んでいるというところ。これってチェット・ベイカーに憧れてなんだろうか、と楽しくなってしまった。アルバムは、トランペット・ソロによるテオ・シャルリエの「エチュード」を最初と真ん中、そして最後において、あいだに20-21世紀の作品を織りこんでゆく。そしてベルワルツはいくつもの表情をみせてくれる。シャルリエのエチュード、エネスクの「伝説」がストレートで澄んだ音色の様式美を。武満・細川の作品ーーともに「歩く」ことが喚起されるーー が様式美を拡張したかたちでの新しい美しさを。ジャズとつながるガーシュウィンとハートで「王道」でありつつもところどころであそびのあるプレイを。そして、リゲティでは楽器と声、ともにパフォーマティヴなさまを。おそらくステージによって、また演目によつてさらに自在な様子に、ふれることができるのだろうけれども、ここはまず録音として堪能できるものをということか。
ベルワルツと中川賢一、2人について記しておくなら、年齢的にも近く、方向性も重なるところがあると言つていい。中川賢―はベルギーでの留学・活動も長かったことも、この演奏の質と楽しさのバックグラウンドになっているにちがいない。 小沼純―

TRACK LIST

DISC1
01 36の超絶技巧練習曲より第2番
02 トランペットとピアノのための「霧のなかで」
03 マイ・ファニー・ヴァレンタイン
04 トランペットとピアノのための「伝説」
05 径 -ヴィトルド・ルトスワフスキの追憶に-
06 36の超絶技巧練習曲より第13番
07 マカーブルの秘密の儀式
08 ラプソディ・イン・ブルー
09 36の超絶技巧練習曲より第6番

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