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「8月21日」-願いはひとつ-

OKAJI
「8月21日」-願いはひとつ-

OKAJI
8Gatsu 21Nichi -Negai wa Hitotsu-

発売日 : 2014.09.24

規格 : DIGITAL

レーベル : KAZE

ここにはひとりの無名の若者の、青春のドキュメンタリーがあります。僕がOKAJIと初めて会ったのは、東京大森のフォーク酒場「風に吹かれて」だった。シンガーソングライター養成講座の生徒として彼はやってきた。ストリートで鍛えられたその歌や演奏は決して下手ではなかったが、どっかで聞いたような言葉とメロディーを僕は酷評した。彼はひるむ事なく、食らいついてきた。そして僕と彼とのマンツーマンのレッスンが始まった。上野や新宿のカラオケボックスで、スカイプで、歌を聴かせてもらっては彼に問いかけた。誰に何を伝えたいのか。本当に伝えたい事があれば、技術は下手でも思いは伝わるはずだ。格好つけたいだけなら、その事実が伝わるだけだ。それが僕の考えだった。若者は褒めてもらいたい。自分の才能を認めてくれる人を探している。ストレートに意見を言えば、ひいてしまう者の方が多い。だがOKAJIはそうではなかった。せこいプライドを越えるアツイ情熱と、天然の素直さと、スッポンのような闘志を秘めていた。話し合いながら歌詞を何度も書き換え、コードを入れ替え、曲を磨いていった。やがて本人からアレンジの依頼があり、僕は一緒にバンドをやるような気持ちでオケを作っていった。「オイラの居場所は」や「TSUBOMI」で鳴っているアコースティックギターは本人が自宅で弾いたものを使った。「やっぱり僕は」や「マイホームタウン」では歌詞に寄り添いながら、歌の背景を描いていった。4曲のオケを完成させた時点で僕の仕事は終る筈だったが。可愛い弟子の頼みで、結局すべてのレコーディングに立ち会う事になった。ギターを弾き、ハモニカを吹き、タンバリンやトライアングルを叩き、コーラスを入れ、歌い方のアドバイスをし、肩をもみ、励ました。彼が父の死について歌う「8月21日」を聴きながら、僕は不覚にも感動してしまった。OKAJIの旅はここから始まる。「こっからですよ、こっから」とサッカー解説者の松木安太郎が言う。たとえ何点のビハインドを背負っても、こっからですよ、こっから。このアルバムは、たくさんの仲間に支えられている。僕の古い友人で、風ふかレコードのプロデューサー金谷氏、岡林信康やさだまさしなどを手がけてきたベテラン・エンジニアの石崎さん、若いサポートミュージシャン達…。OKAJIには優しいお母さんがいる(一度お会いした)花蓮という名の可愛い娘もいるらしい(見せてくれない)ギブソンJ45を持っている(俺のギターより高価だ)背も高く(俺はチビだ)何より若さがある(俺は還暦過ぎた) 俺は悔しい。(佐藤龍一)

TRACK LIST

DISC1
01 オイラの居場所は、音の中
02 やっぱり僕は
03 そのまち、黄金町
04 8月21日 -あるひとつの記憶-
05 TSUBOMI
06 マイホームタウン
07 花蓮 -KAREN-

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