渋谷WWWライブレポート
2015.09.15
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メガマソ、9月9日@渋谷WWW ライブレポート!!

渋谷WWWライブレポート2年ぶりに発売したフルアルバム『ニシュタリ』にあわせて、7月25日・北浦和KYARAから夏の全国ツアー<MEGAMASSO 2015 SUMMER TOUR”ニシュタリ記念宇宙ステーションへの留学”>をスタートさせたメガマソが、このツアーファイナルとなった9月9日・渋谷WWWの公演中に、年内にウインター・ツアー<MEGAMASSO-ザファーストラストニムバスー>を行なうこと。さらに、そのツアーのファイナルとなる12月16日・新宿ReNYで行なうメガマソ9周年ライブ<MEGAMASSO-サイレントガール,オープニングガール->終了後から約1年、メガマソとしての活動を休止。バンドとして”少し長めの冬眠”という名の充電期間に入ることを突然発表した。

ツアー最終日となったこの日、東京は警報が出るほどの大雨にみまわれた。びしょ濡れの身体をファンタジックなSEが静かに包み込んでいく。ボソボソボソ、ボソボソボソ。SEの奥のほうから聴こえてくる男性のつぶやく声に魔法をかけられたところから、ライブはアルバム同様「ザファーストニムバス」でスタート。涼平が変則的なギター・リフを刻みながら奏でるダークなヘヴィロックは、サビで急展開。サイレントでクラシカルなショートSEをはさんで、アップテンポのメロディックチューン「スノウィブルー」へとつながると視界がぐるんと変わる。笑顔でノリまくるフロアに向けて人気曲「肌色」が放たれると、さらにオーディエンスは気持ちを開放。ここでは曲のアウトロでインザーギのフェイクと涼平のギターも楽しそうにからみあう。
「いよいよファイナル。このツアー、僕すごい好きなんですよ」と話し出したインザーギが「今日が一番よかったという日にしましょう」と意気込みを伝えたあと、始まったのは「タイダルピンク」。ここからは彼らが得意とする物語を描くブロックへと突入。メガマソ流のエレクトロなダンスミュージックが爽やかな夏の匂いを連れてくると、場内はとたんに華やいだムードに包まれる。夏の物語に「雨楽器隊」が差し込まれると、ここではGou、インザーギ、涼平が揃ってターンを決める。「AmberFight」から夏もどんどん終わりに近づく。”歌だけは、平等に、せめて届きますように。今は。”。最後の一節でファンの心をキュンとさせたあと「とても小さくて、きっともう見えない。」というスローバラードが歌われたときの刹那。現代音楽のようなピアノの弾き語り、そこにバンドが加わりどんどん壮大さを増したところで、サビで宇宙まで浮遊していくインザーギのため息が出るほど美しい歌声に、せつなさはマックスに到達。ここは前半最大の見せ場だった。
夏物語が終わったあとは、ゲスト・ヴォーカルとしてメガマソ作品ではおなじみのRyu Mihoさんもステージに加わり、前曲の歌詞に歌い込まれている「エインシャントソング」と久々に「かごめかごめin Tokyo Night」を披露。よりファンタジックで幻想的なメガマソワールドが、酸素になって血液に浸透していく。こうして、ひんやりとした夜の帳に体中がおおわれたあと、ライブは後半戦へ突入。
勢いよく「St.Sad」「絶対音波ナンバーミディ」と高速ヘドバンチューン2連発で、場内をおおっていたひんやりとしたベールをいっきにはぎ取り、みんなの目を覚醒させ、フロアのテンションを上げていく。ベースのGouが弾くカウンターメロディが曲をさらに開放的にする「ベゾアルステーン」で、バンドとオーディエンスの間にはとてつもない一体感が生まれる。メンバーもフロアも激しく熱気を帯びたところで投下した「Shooting St.arz」は、前のめりぎみに気持ちを持っていってくれる涼平のカッティング、リズミカルにグルーブするGouのベースがインザーギのなかの”男歌”を炸裂させるエモーショナルなボーカリゼーションを引き出し、フロアはさらに熱狂。ロックバンド・メガマソとして、観ている者の心をがしっとロックしたあとは「fish tank」で暴れ倒し、最後はポップに「サイレントガール」を響かせ、本編を鮮やかに締めた。

渋谷WWWライブレポートアンコールは「リフレイン」からスタート。観客と目を合わせながら歌を届けていったインザーギが「次の曲は特別。僕にとって。君たちひとり一人の心に届いたらいいな」といって歌い出したのはせつないバラード「MISS WAVES」。伸びやかなインザーギの歌、そこに寄り添うようにハモる涼平のコーラスが歌詞の世界観とリンクしていった。その後は激しいメガマソ「芋虫の主」、ポップなメガマソ「Loveless,more Loveless」をパフォーマンスしてライブは終了。

その後、2度目のアンコールに応え、メンバーが再び登場。いつも自分からはしゃべらない涼平が、珍しく話し出した。「最初から一体感がこんなに凄かったのは初めてじゃないかな」とこの日のライブの感想を告げたあとのことだ。
「メガマソは2015年12月16日のライブをもって、1年間充電期間に入ります。メガマソとしての活動はお休みします。すげーメンバー3人で話し合って決めました。メガマソ嫌だったら解散してもいいと思ったけど、みんなそうじゃないので。メガマソの10周年、笑顔で迎えたいので3人でこの結論を出しました」
突然の活動休止発表に、ファンは戸惑い、泣きじゃくる人たちも。Gouはうつむいて動かない。インザーギは客席に背中を向けて頭をうなだれ、涼平は涙をこらえながらさらに話を続けた。
「1年間、長いかもしれないけど、これからも僕たちを応援して下さい。最後に、僕らの曲のなかで、僕らはいつもみんなの側にいるよという意味で選んだ曲があるので、一緒に歌って下さい」
そうして始まったのは「ブラインドイノセンス」。メガマソとみんなのつながりを感覚的に描いたこの歌。目を瞑って体を預け、メガマソに感覚を合わせて彼らの音楽を楽しむことを憶えたのはいつ頃だっただろうか。メガマソとの思い出が頭を巡っていくなか、今日ほど”泣いて”のリフレインがせつなく胸を締め付けた日はなかった。”こんなに好きだから”と歌いながらGou,涼平を指差すインザーギ。これはメガマソが、メンバーが好きだからこその発展的な未来をみすえたポジティブな決断なのだ。だからこそ”一緒にもがいてほしい、感覚は僕を信じてくれ。”。この日、彼らがもっともファンに届けたかった言葉は、きっとそこにいたみんなに届いたはずだ。こうして、歌の最後にファンの涙をやさしくぬぐいさった後、3人はステージを後にした。

メガマソはこの後、Femme Fatale、ジェッジジョンソンとの2マンライブやイベントに出演し、また11月から冬のツアーをスタートさせる。その最終日、バンド結成9周年を迎える12月16日・新宿RaNYで行なう公演をもって”少し長めの冬眠”という充電期間に入る。

【取材・文:東條祥恵】


【ライブスケジュール】

メガマソ2015ウィンターツアー「MEGAMASSO-ザファーストラストニムバス-」
■ 2015.11.08(日) @新潟 LIVE HALL GOLDEN PIGS BLACK STAGE
■ 2015.11.11(水) @福岡 DRUM SON
■ 2015.11.13(金) @岡山 IMAGE
■ 2015.11.16(月) @名古屋 ell.FITSALL
■ 2015.11.18(水) @大阪 FANJtwice
■ 2015.11.22(日) @北浦和 KYARA
■ 2015.11.23(月・祝) @北浦和 KYARA
■ 2015.11.25(水) @札幌 COLONY
■ 2015.12.06(日) @仙台 Space Zero

メガマソ2015ウィンターツアーファイナル「MEGAMASSO-サイレントガール,オープニングガール-」
■ 2015.12.16(水) @新宿 ReNY


◆ メガマソ オフィシャルホームページ ⇒ http://megamasso.jp/pc/
◆ メガマソ オフィシャルツイッター ⇒ https://twitter.com/megamassojp
◆ メガマソ モバイルFC ⇒ http://megamasso-fc.syncl.jp/

メガマソ レギュラープログラム
・AIR-G’ FM北海道 AV Music Channel内コーナー「メガマソ通信」
http://www.air-g.co.jp/av-music/

・インターネットラジオ FaRao内チャンネル「メガマソのFaRaoってなに」
https://www.faraoradio.jp/