岡田拓郎
2022.07.08
release

―「別の時間」の実験によって切り開かれるポップの地平― 大好評を博した前作『Morning Sun』以来約2年ぶりとなる岡田拓郎の新作アルバム、『Betsu No Jikan』が8月31日に発売決定。

岡田拓郎現代における「ポップソング」の可能性に真っ向から挑んでみせた傑作『Morning Sun』(2020年)を経て、今岡田拓郎は、その「ポップソング」のあり方を形作っているメタ的な構造それ自体を検分し、ダイナミックに再生させようとしている。
2年ぶりの新アルバム『Betsu No Jikan』は、この間彼が取り組んできたそうした試みの集大成と呼ぶべき、圧倒的な作品だ。
ドラマーの石若駿らとの即興演奏の成果を「素材」として一旦持ち帰り、エディットを施した上、更に様々なミュージシャンに対してその上で即興的な演奏をするよう指示。
ジム・オルーク、ネルス・クライン、サム・ゲンデル、カルロス・ニーニョ、細野晴臣という錚々たる音楽家たちによってリモート収録されたデータを受け取った岡田は、それらを再びエディットし、コラージュし、自身と各人の演奏を混ぜ込んでいった。
精密なエンジニアリングによって、各音はこれ以上無いほどつややかにトリートメントされ、各々の音の持つ特徴がかえって鋭く立ち上がってくる。
同一の時間への収斂を執拗に避け、「別の時間」のありようを肯定するとき、新たな「ポップ」の姿がコミュニケーションの次元から立ち上がる。
「ポップとは何か」を考え抜こうとする岡田の野心的な批評精神と音楽家としての強靭な身体性は、ついにこのような境地までたどり着いた。本作『Betsu No Jikan』は、当代随一のポップエクスペリメンタリストである岡田拓郎が静かに提示する、尊く力強い問題提起だ。


岡田拓郎『Betsu No Jikan』岡田拓郎 / Takuro Okada
New Album『Betsu No Jikan』

[CD] PECF-1193 / ¥3,080
2022.08.31 Release

[LP] PEJF-91043 / ¥3,630
発売日未定

01. A Love Supreme
02. Moons
03. Sand
04. If Sea Could Sing
05. Reflections / Entering #3
06. Deep River

[参加アーティスト]
石若駿 / 大久保淳也 / カルロス・ニーニョ / 香田 悠真 / サム・ゲンデル / 鹿野洋平 / ジム・オルーク / ダニエル・クオン / 谷口雄 / ネルス・クライン / 細野晴臣 / 増村和彦 / マーティ・ホロベック / 山田光