阿部海太郎
2020.09.17
release

前作『Cahier de musique 音楽手帖』から4年。阿部海太郎の新作は、NHKの8K番組「世界で一番美しい本」(2019年)のために書き下ろした楽曲を収録したアルバム。10月7日に発売決定。

阿部海太郎すぐれた美的感覚と知性から生まれる音楽表現が分野をまたいで高い評価を得る作曲家・阿部海太郎の6枚目となるアルバム。
パリ郊外の城に残される装飾写本「ベリー侯のいとも豪華なる時祷書」を題材に、時代を超えて息づく人間の内面の四季を描き出す。
「世界で一番美しい本」とも讃えられるこの本に描かれる中世フランスの情景と人々の営みにある一片一片を丁寧に紡ぐような音楽の数々が、聴くものの想像力を大らかに掻き立てる。


阿部海太郎 | 世界で一番美しい本阿部海太郎 | 世界で一番美しい本
Umitaro ABE | Le plus beau livre du monde

2020.10.07 Release
CD + Digital / DDCM-8006 / 2,800Yen+Tax
Released by THEATRE MUSICA
Distributed by SPACE SHOWER NETWORKS INC.
(P) 2020 NHK Publishing, Inc
(C) 2020 THEATRE MUSICA

01. Une vieille mélodie que quelqu’un m’a donné | 遠い昔に教わった歌
02. Janvier -Approche, Approche | 一月 アプロッシュ、アプロッシュ
03. Février -Une petite ferme avec bergerie, basse-cour, quatre ruches et un pigeonnier | 二月 羊小屋、鶏舎、四つの蜜蜂箱、そして鳩舎を持った小さな農家
04. Mars -Mélusine transformée en dragon | 三月 メリュジーヌ
05. Avril -Fiançailles | 四月 婚約
06. Mai -Cavalcade | 五月 カヴァルカード
07. Juin -Les mains | 六月 手
08. Juillet -Songe d’été d’un mouton | 七月 羊の夢
09. Août -Parure de robes | 八月 パリュール・ド・ローブ
10. Septembre -Le château de Saumur figé dans le temps | 九月 絵本に綴じられたソーミュール城
11. Octobre -La chanson de l’épouvantail | 十月 かかしの唄
12. Novembre -A l’orée de la forêt | 十一月 そこに森がある
13. Décembre -Sonner l’hallali | 十二月 アラリー
14. Le presque-rien inoubliable | 忘れがたき、ささやかなもの
15. Les Très Riches Heures du Duc de Berry | ベリー侯のいとも豪華なる時祷書


Le plus beau livre du monde 世界で一番美しい本

前作『Cahier de musique 音楽手帖』から4年。舞台や映画、ドラマなどの音楽を手掛ける傍ら、個性的なコンセプトの演奏会やイベント企画、楽譜集の刊行など、音楽の有り様への飽くなき好奇心と探究心を持って活動する阿部海太郎の新作は、NHKの8K番組「世界で一番美しい本」(2019年)のために書き下ろした楽曲を収録したアルバム。番組が紹介する15世紀に描かれた装飾写本「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」には中世フランスの12ヶ月の暮らしが描かれている。鮮やかな彩色で描かれる主題だけでなく、人々の息吹が感じられる些細な部分も汲み取ろうと時に大胆なアプローチで表現される旋律が、時空を超えて生きる人々を繋ぐかのよう。マンドリンやピアノの独奏、オルゴール、弦楽四重奏、木管五重奏、オーケストラまで、楽器の表現力を多彩に駆使し、時代を超えて息づく人間の内面の四季を描き出す。普遍的な人の営みにある一片一片を丁寧に紡ぐような音楽の数々が、聴くものの想像力を大らかに掻き立てる。22.2ch環境で録音、ミックスされた音源を、ロンドンでマスタリング。現代における音源化を取り巻く環境と意義への思慮深さもうかがえる。


阿部海太郎

作曲家。
1978年生まれ。クラシック音楽など伝統的な器楽の様式に着目しながら楽器の今日的な表現を追求する。楽曲のみならず、コンサートの企画やアルバム制作など、すぐれた美的感覚と知性から生まれる音楽表現に多方面より評価が集まる。
蜷川幸雄氏に見出されその劇音楽を数多く手がけたほか、舞台、テレビ番組、映画、様々なクリエイターとの作品制作など幅広い分野で作曲活動を行う。音楽を手掛けた作品に、インバル・ピント&アブシャロム・ポラック演出『100万回生きたねこ』『百鬼オペラ 羅生門』、長塚圭史演出『イヌビト』、NHK『日曜美術館』テーマ曲、ドラマ『京都人の密かな愉しみ』、映画『ペンギン・ハイウェイ 』など。
2019年に楽譜集『ピアノ撰集 ーピアノは静かに、水平線は静かに見つめているー』が刊行された。
https://www.umitaroabe.com/