Ken Yokoyama
2020.08.31
release

Ken Yokoyama 初のミニアルバム『Bored? Yeah , Me Too』レーベル直販(通販のみ)でリリース決定!Trailer映像公開。

Ken Yokoyamaセルフ・コンピレーション・アルバム「Songs Of The Living Dead」からは1年9ヶ月ぶり、オリジナル音源としては2015年発売の「Sentimental Trash」以来、5年ぶりのリリースが決定!
Trailerも公開。
Ken Yokoyamaとしてはキャリア初のミニ・アルバムのリリースとなり、本作品は横山健自身が代表を務めるPIZZA OF DEATHより、レーベル直販(通販のみ)でのリリースとなり、9月25日発送開始となる。


◆Ken Yokoyama 1st Mini Album「Bored? Yeah, Me Too」Trailer【レーベル直販CD】⇒ https://youtu.be/SaVrF1y3S8M


Ken Yokoyama 1st Mini Album『Bored? Yeah, Me Too』Ken Yokoyama
1st Mini Album『Bored? Yeah, Me Too』

PODR-2 / ¥1,650+税
発送開始日 : 2020.09.25
※レーベル直販CD

[収録曲]
01. Runaway With Me
02. Woh Oh
03. Balls
04. Still I Got To Fight
05. Count Me Out
06. You Are My Sunshine

詳細 : https://www.pizzaofdeath.com/ken1stmini/


【作品概要】

「おい、横山! 去年からいったい何やってたんだ!」そんな言葉を投げかけたくなる人も多いだろう。実際、横山健は長い間、沈黙を守った。この2020年、彼がSNSを使って世の中に投げかけた言葉は「もんげー!」を7回、これのみである。世界がコロナ禍にあえいでいるなか、寂しいを通り越して笑ってしまった。これですら何かのメッセージじゃないかと思わせるのが横山健という男だ。

しかし、様々な不満やら不安やら何やらが一発で吹き飛ぶ作品が遂に現れた。Ken Yokoyama初となるミニ・アルバム『Bored? Yeah, Me Too』である。直訳すると<ヒマだって? ああ、俺もだよ>といったところか。コロナの影響でシリアスな空気が世の中に流れるなか、このタイトルだけですでにずっこける(いい意味で)。アートワークからも今の状況を皮肉ったいかにも彼らしいアティチュードが見て取れる。

少々回りくどい導入になってしまったが、今作ははっきり言って名盤である。これまでも定評のあった横山のポップセンス、アレンジセンスが別の次元に突入したことが1曲目「Runaway With Me」が始まって30秒で感じ取れる。単純にメロディがいいなんてレベルの話ではなく、もはや職人技とも言える域に彼の技巧は到達している。一切の無駄がなく、ひとつひとつの音や旋律、コーラスワークが必然とも思える形で疾走するビートのなかにピタリと収まっているのだ。

全曲シンガロングを誘発するキャッチーさを持ちながら、なんとも言えぬ危うさが漂うのも今作の特徴だ。それは歌詞を読んでもらえば一目瞭然。<お前は「男が逃げたらダメ」って言うけど 心配ない 代わりに人形でも置いときゃ 誰も気がつきゃしないよ>と歌う「Runaway With Me」、<音楽はオレの全てさ>と改めて宣言する「Woh Oh」、キンタマの歌でこんなにドキッとさせられたことはないってぐらい見事なショートストーリー「Balls」、<呼吸しているだけじゃ 生きてるとは言えないんだぜ>と投げかけるファイトソング「Still I Got To Fight」、<陰口を叩きたいなら オレ抜きでやってくれ>と吐き捨てる「Count Me Out」、そして、恒例のカバーソング「You Are My Sunshine」という流れ。まるで自分自身を世の中の混乱の外に置いているかのような物言いが多く、厭世観すら感じさせるが、これがここしばらく世間から身を隠していた彼からの手紙だとするなら納得がいく。

こんな歌詞が、何度も言うようだが、2周目ですでに口ずさめるぐらいのキャッチーさで、意匠を凝らした丁寧な作りのサウンドを通じて、耳に飛び込んでくるのである。このミスマッチ加減には正直、ちょっとした怖さすら感じる。それが彼の狙いなんだろう。

今作のサウンドをネクストレベルへと引き上げている理由のひとつとして、今回が単独作としては初のレコーディング参加となる新ドラマーEKKUNの影響も挙げられる。彼のタイトでパワフルなドラミングはこれまでのKEN BANDサウンドにはなかったものだ。

ちなみに、今作は自らが代表を務めるPIZZA OF DEATHが設立した新たな流通経路を使ったレーベル直販(通販のみ)となる。立ち上げから20年を超えたレーベルによる新たな試みにも注目したい。

2020年春以降、多くのアーティストが様々な発信を続けているが、これが彼なりのメッセージということだろう。作品を何回も聴いているうちに、彼の存在を忘れかけていたファンも思い出すはずだ。ああ、だから自分は横山健が好きだったんだ、と。今のパンクシーンには横山健の熱、鋭さ、そしてクセのあるジョークが圧倒的に足りなかったのである。