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2019.01.23 UP
NEIGHBORS COMPLAIN スペシャルインタビュー 後編

洗練を極め飛躍的な進化を遂げたニューアルバム『BRIDGE』!
他のR&Bバンドとは一線を画すスムーズなグルーヴを手にした4人が、こだわりの音作りとアルバムに込めた思いを語る!

NEIGHBORS COMPLAIN——1年半ぶりとなる新作『BRIDGE』が完成しましたね。前作『NBCP』から確かな成長を感じられるアルバムでした。
Oto:2018年の1年間がすごく濃い一年だったんです。いろんなことを経験して、気付いて、それが形になったものがこのアルバムだと思います。

——今回はどんなアルバムをめざしたんですか?
Taka:全体的なコンセプトやテーマは設けず、1曲1曲、ただかっこいいものを作りたいと。最初はそこに向けて走っていました。
Gotti:とはいえ、『NBCP』とは違うモノを作りたいという思いがありましたし、Neighbors Complainを濃くしたいという意識はありました。
Kash:『NBCP』はOtoが全曲の作詞作曲をしていたんですけど、今回は他のメンバーの書いた曲も収められてます。各自のカラーが出て、それを全員で練っていったので4人の思いも込められた。この1年間で培った僕らの絆がギュッと詰まった一枚になったと思います。

——各メンバーが作詞作曲した楽曲を入れることにした理由は?
Gotti:セルフコンテインドな部分をもっとはっきりさせたかったんです。
Oto:あとメンバーの人となりがわかった方が、もっとバンド感が出るだろうと考えたんですよね。

——前作とレコーディング方法も変わったそうですね。
Taka:ドラムの録り方から変わりました。ドラムはアコースティックな楽器なので各パーツが響き合って余計な倍音が出ることがあるんです。なので、今回は曲によってはタムドラムがなかったり、シンバルを全部ハズしたり、楽曲毎に並べる機材やセッティングを変えて録ったんです。あと、レコーディングに向かう姿勢も変わりました。以前は決め込んで叩いてたんですけど、今回はなんか違うなと思ったらどんどん自分自身をアジャストしていく。レコーディングというゴールに辿り着くまでの突き詰め方が深くなりました。加えて、今回は打ち込みも使ったんです。それも前作との大きな違いですね。

——前作を聴き直すと、バンドで「せーの」で録ってる感じがすごくするんです。固さや緊張感を感じるし、力みも感じる。でも、今回は肩の力が抜けた印象があって、前作より圧倒的に洗練されたと思ったんです。
Kash:前作は本当、勢いで録ってましたから。今回はもっと固まってるというか、きっちりしてる。
Gotti:実際、今回は各楽器を個別に録っていったんです。ドラムだけ録って、次にベースを録って、ギターを重ねてっていう。
Oto:今回は曲の完成図を予想しながら、ここは敢えて間引いてみようとか。前作は、4人でベーシックな音を録って、「ここに何が欲しい?」って足し算していくやり方だったんですけど、今回はゴール地点が全員で共有できていて、敢えてここは弾かない。そのぶんコレを入れる、みたいな。そういうパズルみたいな組み立て方ができましたね。

——今回は音の隙間や余白があって、それが生み出すグルーヴを感じたんですよね。
Kash:前作より今回の方が“歯車感”が圧倒的にあるんです。それぞれの演奏の嚙み合わせがガッツリはまってる。というか、ちょっとでも噛み合わないと勢いが出ない曲が多いんです。特に「LST/D」や「Aurora」は、プレイ中に一瞬気を抜いたら倒れるような感じ。実際、Takaくんはドラムのレコーディングが終わってリスニングルームに帰ってきたときにヘロヘロになってましたから。

——Otoさんの歌い方も力みが取れたように思います。なめらかさや軽やかさが増したと思うんです。
Oto:歌い方は全然変わりましたね。以前は音程ばかり気にしてたんです。ちゃんと歌わなきゃっていう意識に引っ張られてた。でも、音程なんてレコーディングの準備段階で当たり前にクリアしてなきゃならないことだし、レコーディングに入ったときはきちんと伝えたいメッセージを意識して歌うっていう。それができたことが大きいと思います。

——前作は「歌おう、歌おう」としている印象を受けるんです。各楽器のプレイもそうで、お互いが自分のプレイを聞いてくれって感じで自己主張が強い。
Taka:一緒にドンとやってるけど、意識は個々みたいな。

——そう。でも、今回は調和を意識していることが、実際にサウンドの変化として現れている。歌もサウンドもグルーヴ感が増したし、軽妙なのに奥深い作品になったと思うんです。
Taka:確かに。以前より周りの音をより聞くようになりました。それはライブでもそうですね。
Oto:僕もそうですね。今回はドラムとの嚙み合わせとかギターとの嚙み合わせとか、周りの音を聞いたうえで、じゃあ、そこに歌がどう絡んでフロウしていくかっていう。そこをすごく意識してました。

——リード曲として先行配信した「LST/D」は、アーバンなジャズファンクに仕上がっています。これはOtoさんの作詞作曲ですが、どのようなイメージで作ったんですか?
Oto:最初はもっと淡々とした曲を作ろうと思っていたんです。それで、“もう一回はない”と歌ってる今のサビのところだけがずっと同じグルーヴ感で、温度も変わらず、延々と続くデモを作って。それをメンバーに提案したら、「何が、もう一回はないの?」って言われて(笑)。自分の中では、人生は一度きり、だからラストダンスを一緒に踊りたいっていう思いを歌いたかったんですけど、「だったら、それを歌ってよ」って言われて。「確かに(笑)」と思って、そこから作り替えたんです。

——歌詞のテーマを端的に言うと、一期一会ということですか?
Taka:そうですね。今日のこの瞬間は絶対返ってこない、だからこそひとつひとつの出会い、一瞬一瞬の出来事を大事にしていきたいっていう気持ちで作りました。

——昨年7月に先行リリースした「In Our Life Steps」のテーマは?
Oto:僕ら4人の新しい出会いがテーマです。去年からSPACE SHOWER MUSICでやらせてもらえることになったことが素直に嬉しくて。ここから僕たちの新しいステップを踏み出すんだっていう思いを、この恋をステップアップさせていきたいという気持ちに重ね合わせて書いたんです。加えて、ファンの方と一緒に大きい景色を見られるようステップアップしていきたいという思いも込めました。

——これまでのレパートリーになかった、疾走感のある爽やかな夏曲に仕上がりましたね。
Gotti:ただ、夏曲を作るのが初めてだったんで、どうやったらいいんだろう?って。その「爽やか」っていう答えに行き着くまでに結構時間がかかりましたね。最初は夏だから暑苦しいのがいいんじゃないかって思ってしまって。「いや、違う。夏に聴くから涼しげな方がいいんだ」って。それでギターをアコギにしてみようと。
Kash:ベースラインもそれに沿ってフレーズを探したり。
Taka:あと、リズムも疾走感を出すことにしたんです。

——ここからはOtoさん以外のメンバーが作詞作曲した楽曲について訊かせてください。Kashさんが作った「Weekend」は恋人同士の日常を描いた朗らかな曲ですね。
Kash:これは女の子目線ではなく、男の子のドキドキ感を表現したかったんです。週末のワクワク感を表現できたらいいなって。

——ゴツイ体に似合わず、アルバムでいちばん可愛らしい曲になってますよね(笑)。
Oto:そうなんです。デモを聴いたときに「メッチャかわいいこと考えてるやん」と思って(笑)。僕にはない感性だなと思って新鮮でした。

——Gottiさんの手による「Aurora」は90年代アシッドジャズを彷彿させるナンバーです。
Gotti:冬に踊れる曲というのをまず考えたんです。特にUK とかヨーロッパのクラブでかかってて、みんなが踊ってるというイメージを思い浮かべて。僕はGoogle Mapでよく知らない場所を調べるのが好きなんですけど、そんな中でフィンランドを調べてたらオーロラが見られることを思い出して、これはテーマにぴったりだぞと。オーロラってふわふわしていて神秘的なイメージがあるので、妖艶な男女のラブソングにしようと思ったんです。キザなタイプで格好付けてるから、お互い「好き」とか言い合わない。でも、お互い近づきたいと思ってる。そんな男女模様を書きました。

——モヤモヤした関係なんだけど、トキメキやキラメキがあるっていうのは確かにオーロラと重なりますね。Takaさんが作詞作曲した「モノクロノユメ」はどんな着想で書いたんですか?
Taka:思い出に浸ってる感じをイメージして作りました。まだちょっと過去の恋愛に引っ張られている感じ。でも、悪い思い出じゃないし、「あの頃は良かったよね」という思いが含まれている胸の内をテーマにしたんです。
Oto:普段Takaは「あの子、かわいい」とか「今の子かわいい」とかまったく言わないタイプなのに、こういう曲を書いてきたから、そういう部分あるんだってビックリしました(笑)。

——この曲はギターのザラついた質感と、シンセのキラキラしたドリーミーな質感のコントラストが印象的でした。
Kash:イントロのシンセの音は、Otoがスタジオに入って、いろいろ試したあとに、ポロッと弾いたものなんです。そのときにリスニングルームにいた僕ら3人が全員「これ、メッチャいいやん!」って反応して。でも本人としては一番ない音色だったらしくて。
Oto:僕の中では絶対ないという音だったんですよ。でもそれを弾いたら見事にビンゴ(笑)。

——本作で、Otoさんが個人的に思い入れの強い曲はどれですか?
Oto:「Escape」ですね。21歳でニューヨークに行ったとき、右も左もわからず、言葉も喋れず、すごく孤独を感じていたんです。自分から行きたくて行ったのに、こんなに人がたくさんいるのに、なんでこんなに孤独なんだろう?って思ったことがあって。今だったら当時の自分にアドバイスできる自分がいて、そんな21歳の自分に向けて歌った曲なんです。

——テーマは、孤独からの脱却・解放ということですか?
Oto:そうですね。孤独の世界から連れ出してあげるっていう。今、そういう悩みを抱えてる人がいたら、僕がそこから引っ張り出してあげたい、自由な世界に連れて行ってあげたいと思って書きました。サウンド的には、自分が頭の中でやりたいと思っていた表現に一番近づけたと思ってます。スペイシーな感じから、サビでグッとダンサブルになるっていう。その緊張と緩和を意識して作りました。

——アルバムの最後に収録された「Precious love」は、明日への希望を歌ったハートフルなバラードですね。
Oto:これは僕たちを応援してくれてる人たち、支えてくれてる人たちに向けて感謝の気持ちを書いたんです。みんなに支えられて今の僕たちがいるっていうことを表現したくて、最後のコーラス部分には、これまで4人がお世話になった人たちに集まっていただいて、一緒に歌っていただきました。
Taka: 25名くらいの方にスタジオに来ていただいて歌っていただきました。

——前作のラストにも「There For You」という大きな愛情を歌ったソウルバラードを収録していましたよね。
Oto:今まで自分が聴いてきたアルバムはそういうモノが多いんですね。最後には愛を歌うとか。人間の本質的な部分を歌ったり、「ありがとう」という思いを伝えたり、そういう歌で締めるのがある種のマナーかなと思うんです。

——アルバムの最後をバラードで締めるというのは、お決まりにしていこうと考えているんですか?
Gotti:今後はわからないですけど、いいバラードを作りたいという気持ちはあります。でも乱発したくない。アルバムの最後に持って来て締めるっていうのが、たまたま続いたということなんです。「There For You」は、オーディエンスの皆さんに向けて僕らのメッセージを届けたい曲なんですけど、それにプラスして「Precious Love」はライブの最後でお客さんとひとつになれたらっていう思いがあるんですよね。

——最後に、『BRIDGE』というアルバムタイトルに込めた思いを教えてください。
Kash:いろんな人たちに僕らの音楽を届けていくための橋という思いを込めたんです。実際、僕らの地元の大阪には川が多いんですよ。どこかに行くとなったら何かの橋を超えていかないと行けないというくらい。そんな僕たちが、これから全国のいろんな方たちに音楽のかけ橋を繋いでいくんだという思いを込めたんです。
Oto:あと、BRIDGE という言葉には「乗り越える」という意味もあるんです。この4人で夢に向かって、いろんな出来事を乗り越えていくんだっていう。そんな決意も込めて、このタイトルにしたんです。



【文:猪又孝】

インタビューの前編はこちら⇒ https://spaceshowermusic.com/features/96456/


NEIGHBORS COMPLAIN『BRIDGE』2019.01.23 Release
NEIGHBORS COMPLAIN『BRIDGE』
[収録曲]
01. LST/D
02. Aurora
03. Escape
04. In our life steps
05. Between Real and Dream
06. Weekend
07. SAYONARA愛しき人
08. モノクロノユメ
09. Precious Love
PECF-3221 / ¥2.400+税
SPACE SHOWER MUSIC/Liquid Brain Inc.


NEIGHBORS COMPLAIN Profile

NEIGHBORS COMPLAIN

Oto(オト) Vo.Key. / Gotti(ゴッチ) Gt.Cho. / Kash(カッシュ) Ba.Cho. / Taka(タカ) Dr.Cho.

2014年大阪にて結成。エモーショナル&SEXYなOtoのヴォーカル、New Classic Soul、Black Contemporary、NJS、Rare Groove (Philadelphia Soul, Sal Soul等) のバックボーン、そのヴォーカル&サウンド・メイクは、ファレル・ウィリアムス、ブルーノ・マーズ、メイヤー・ホーソーン、TUXEDOなどを彷彿させる新世代セルフ・コンテインド・バンド。2017年7月1st アルバム「NBCP」、2018年7月シングル「In Our Life Steps」をリリース。
2018年3月にはジャカルタの世界的フェス「JAVA JAZZ FES.2018」に日本人アーティスト代表として出演するなど、海外へも活動の場を広げている。

◆NEIGHBORS COMPLAIN HP
http://neighbors-complain.com/



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