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2015.02.25 UP

嶋津健一トリオ

ピアノの職人、嶋津健一のトリオ最新アルバムが完成。
コンポーザーズ・シリーズ3作目。ジョビンを独自の解釈で料理した。

バラード弾き、歌伴の名手として定評のある嶋津健一が、トリオを率いて続けている『ザ・コンポーザーズ』シリーズ。ミシェル・ルグラン(RKCJ-2041)、ジョニー・マンデル(RKCJ-2044)ときて最新作はA.C.ジョビンを取り上げた。
ジャズピアニストとしての独自性を発揮した選曲に注目。
付き合ったメンバーは、ベースに前作までと同様に名人加藤真一(佐藤允彦、森山威男、前田憲男などのグループのメンバー)、ドラムスは嶋津トリオでは初めての録音の橋本学(若手では実力派として知られる。)今作はジョビン曲5曲、オリジナル5曲のラインアップ。

嶋津健一トリオ 「 ザ・コンポーザーズ III 」 2015.02.25 Release
嶋津健一トリオ / ザ・コンポーザーズ III
[収録曲]
01. Double Rainbow (Antonio Carlos Jobim) バラに降る雨 7:43
02. Nocturne (Kenichi Shimazu) ノクターン 6:17
03. Portrait in Black and White (Antonio Carlos Jobim/Chico Buarque) モノクロームの肖像 5:53
04. Pure My Soul (Kenichi Shimazu) ピュア・マイ・ソウル 7:01
05. Luiza (Antonio Carlos Jobim) ルイーザ 4:27
06. If You Never Come to Me (Antonio Carlos Jobim) イフ・ユー・ネヴァー・カム・トゥ・ミー 4:57
07. Optimistic Dream (Kenichi Shimazu) オプティミスティック・ドリーム 6:29
08. Long and Narrow Road (Kenichi Shimazu) ロング・アンド・ナロー・ロード 7:01
09. Waters of March (Antonio Carlos Jobim) 三月の水 4:14
10. 桜桃 (Kenichi Shimazu) Outou 4:40
RKCJ-2057 / ¥2,500+税 / レーベル : Roving Spirits
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【メンバー】
嶋津健一 (Piano) Kenichi Shimazu
加藤真一 (Bass) Shinichi Kato
橋本 学 (Drums) Manabu Hashimoto

【Staff Credit】
Produced by 冨谷正博 Masahiro “Tommy” Tomitani
Recorded at オルフェウス・スタジオ、東京 on 2014年11月8日 November 8, 2014 at Orpheus Studio, Tokyo, Japan,
Recorded by 菅原直人 Naoto Sugahara / Mixed and Mastered by 穴井正和 Mas Anai
Art Direction by 飯田 将 Masashi Iida (Banana Spirits) / Design by 柿沢亮介 Ryosuke Kakizawa (Banana Spirits)
Photography by 朱琇貞 Joo Su Jeong / Piano Tuning by 辻 秀夫 Hideo Tsuji


【ライナーノーツより抜粋】by 嶋津健一

今回のアルバムは私のコンポーザーズ・シリーズの第三作になります。このシリーズは各回一人の作曲者を取り上げ、その作曲者の作品と私の作品を半分半分に収録する、というものです。第一回はミッシェル・ルグラン、第二回はジョニー・マンデル、そして今回はアントニオ・カルロス・ジョビンを取り上げました。

各作曲者共、何百曲という作品を発表している大御所であり、彼らの作品と、作曲が本職でもない私の作品を並べて収録すること自体いかにも身の程知らずではありますが、逆に偉大な作品群であるからこそ、それらと並べて私の作品を提示する事で、私の個性がより良くあぶり出されるのではないか、とも思い、不遜ながら三作目を出すことと相成りました。

実はアントニオ・カルロス・ジョビンについては、比較的最近までさしたる興味を持たずにいました。彼のいわゆる代表曲、例えば「イパネマの娘」や「ウェーブ」等は、確かに名作ではありますが、臓腑を深くえぐらるるような感動を与える曲というより、趣味のよい小歌、という方が合っていると思います。

ジョビンに対する見方が変わったのは、今回収録した「Luiza」に出会った時です。彼はただの職業作曲家ではない。限りなく深い美的世界、もしかしたら深い心の闇をもさえ持っているのかも知れない。そう思いました。その思いは「Portrait in Black And White」に出会った時、確信となりました。ジョビンは類い希なる作曲技術を駆使して珠玉の作品群を生み出す一方、自分自身をとことんまで突き詰め、魂の叫びを絞り出すような作品をも残しているのです。

私の近年の作品について語りますと、なるべく「ジャズ」というカテゴリーの縛りにとらわれないで作曲するようにしています。自分と音との間の障害物を取り除いて曲作りに臨むよう心掛けています。その結果今回は内省的なバラードが増えたようです。

ベースの加藤真一氏には、最近の6枚のアルバムでお付き合いいただいており、最も気心の知れた間柄です。こちらからどんなクセ玉を投げ込んでも、必ず受け止め、自分の言葉で投げ返してくれます。懐の深いベーシストです。

ドラムスの橋本学氏とは、本アルバムが初共演です。私はドラムスをよりメロディー楽器としてとらえたいと思っているのですが、彼はその思いに十二分に応えてくれました。冷静さと情熱の両方を兼ね備えた稀有なドラマーです。


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