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2021.04.26 UP

G over スペシャルインタビュー

【インタビュー・テキスト : 柴那典】

G over最初に惹きつけられたのは、声だった。

G overを最初に知ったのは「曙光」のリリックビデオ。暗い部屋でフードをかぶり煙草を吸いながら酒を飲む、どこかやさぐれた男のイラストをバックに「あの頃の匂いが俺の記憶をつんざいた」と歌い始める。少ししゃがれた、低く色気のある声。ピアノ、ギター、ベース、ドラムのシンプルなバンドサウンド。ガレージロックをベースにジャズのコード感とリズムを取り入れた洒脱な曲調で「責任も無い今だからこそ やれることをやってみろよ 馬鹿」と、自らを奮い立たせるような言葉を歌う。

なかなか骨太なニューカマーが登場してきたと思ったら、2曲目でまったく別の表情を見せてきたからまた驚いた。

「花曇」は、春の別れを歌ったピアノバラード。リリックビデオには、「曙光」と同じような構図とタッチで、部屋に一人座り窓の外の桜を見つめる女性のイラストが描かれる。「君が居なくなって知った 春は1人じゃ少し寒い」と歌うヴォーカルは、繊細な情感を真っ直ぐに伝えてくる。

この二面性が、彼らの大きな魅力だ。

Nao(Vo)、Ibuki(Dr)を主体とした音楽プロジェクト「G over」。2021年1月にVo.Nao、Gt.Yoki、Ba.Arata、Dr.Ibukiの4人で始動。きっかけは音楽専門学校で出会ったNaoとIbukiだった。

「僕は2年前からずっとNaoとバンドをやろうと言っていたんです」(Ibuki)
「学校に入ってすぐくらいにメンバーを募集してたんですけど、その時に声をかけてくれて。そこから意気投合しました」(Nao)
「そこから他のバンドのサポートをやったり、メンバーに誘われたりもしたんですけど、声を聴いた時からNaoと組みたかったので、どこにも入らずにやっていました。それで、僕からベースのArataと高校の先輩だったギターのYokiを誘って始めました」(Ibuki)

4人は家族の影響もあり、それぞれ子供の頃から音楽に親しみながら育ってきたという。

「音楽一家だったんで楽器に触れている時間は長かったです。幼稚園の時からエレクトーンをやっていて、中学校でピアノに転向して。歌を真剣にやりはじめたのは高校の卒業前くらいでした。よく聴いていたのは邦楽のロックバンドですね。小学校くらいからずっとSEKAI NO OWARIさんが大好きで。そればっかり聴いていた時期もありました」(Nao)
「幼稚園や小学校の頃からお父さんが車で70年代、80年代のブラックミュージックを聴いていて。当時は何を歌ってるかわからなくて、全然好きじゃなかったんです。でも、専門学校に入って音楽を勉強していくうちに、昔聴いていた曲にハマってしまった。最近はソウルやファンクや、いろんな古い洋楽を聴いてます」(Ibuki)
「2、3歳の頃にある場所で、後にflumpoolになる人たちが歌っていて、母さんに『あの人らの歌を聴きたい』って言ったのが音楽との出会いです。中学で軽音部に入ってベースを始めてからも、ずっとflumpoolさんの曲ばっかり聴いてました」(Arata)
「僕は父親から80年代、90年代のハードロックを聴かされて育って。高校の頃はONE OK ROCKが好きで。高校の軽音部でIbukiと出会って、ONE OK ROCKのカバーをやったりしてました」(Yoki)

活動の始め方も、すごく今の時代らしい。もともとIbukiはNaoと一緒に音楽をやろうと目論んでいたが、昨年はコロナ禍でライブハウスに出ることも叶わず、学校にも通えず、IbukiとNaoそれぞれが家で過ごす時間の中で作曲を始めたことがスタート地点になっているという。

「もともと僕はNaoに曲を作ってもらう予定だったんです。でも学校に当分行けなかった時期があったんで、その間にギターやキーボードを弾きはじめて、独学で音楽理論の勉強をして、曲を作り始めました」(Ibuki)
「僕も去年はずっと家にいました。バイトから帰ってきたら家でギターやキーボードを弾いたり、ソフトの使い方を調べて曲を作ったりしてました」(Nao)

「曙光」の作詞作曲はIbukiで、「花曇」の作詞作曲はNao。それぞれが曲の土台を作っていることがグループの個性につながっている。

「今まで聴いてきた音楽も全然違うので、それがグループの二面性になっていると思います。それを前に出すことによって、不思議な感覚になってもらえるんじゃないかな」(Nao)
「僕の『曙光』は強気な姿勢を見せる歌詞だったりするんですけど、Naoは真っ直ぐな歌詞やメロディで、僕には書けない世界を作ってくれる。それが頼もしいです」(Ibuki)

そうした準備期間を経て2021年1月に結成。そこからYouTubeに公開した「曙光」のリリックビデオは、全くのノンプロモーションにもかかわらず1週間で約1.5万再生を突破した。イラストはNaoの友人に依頼したDIYなスタートから曲だけの力で反響を呼び、楽曲の配信リリースに至ったという経緯だ。

「『曙光』のイラストは暗い感じの、ダメな男の人が部屋の中で座っているのをイメージして描いてもらったんです。で、次の『花曇』もあえて同じ部屋にしたらG overの二面性を表現できて面白いんじゃないと思って。春っぽい温かな曲なので、部屋の色は明るくして、女の人で、向きも逆にしてもらった。素晴らしい絵を描いてもらえました」(Nao)

発表されているのはまだ2曲。ライブ経験はゼロ。まだ未知の存在だが、可能性はすごく感じる。4人は今後の目標についてこんな風に語ってくれた。

「すごく大きなところでライブをして、その景色が見てみたいですね」(Nao)
「去年にコロナで自分がやっていたバンドが解散してしまって、音楽をやめてしまおうと思っていたんですけど、その時期にIbukiに誘われて。このグループに全てを賭けたいし、もっと表現力を高めたいと思ってます」(Yoki)
「僕はflumpoolさんのおかげで音楽を始めたし、自分も音楽に助けてもらってきたので。自分も音楽で人を救えたらなって思ってやっています」(Arata)
「自分の作る曲が一番好きで、自分の作る曲が一番カッコいいってなるのが目標です。自分が思う“カッコいい”を作りたい。それを目標に頑張ってます」(Ibuki)





G over Profile

Nao(Vo)、Ibuki(Dr)を中心とした音楽プロジェクト「G over」。
2021年1月にVo.Nao、Gt.Yoki、Ba.Arata、Dr.Ibukiの4人で始動。
結成直後に、YouTube に投稿した初のオリジナル楽曲「曙光」のリリック・ビデオは、活動開始直後の投稿にもかかわらず、2.8万再生を突破。さらに先月3月にリリースされた 2作目の「花曇」は早くも 7千再生を突破した。
雰囲気だけでも圧倒される力強さと繊細さを兼ね備えたヴォーカルに、幅広い音楽性を感じさせるサウンド、心に突き刺さる感情的でストレートな歌詞が10代だけでなく幅広い世代から注目を集め始めている。
2021年、突如現れたG overの幕開けを見逃すな。

◆Official YouTube ⇒ https://www.youtube.com/channe……a0WdYNsTlQ
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